探偵になるからにはまずは先輩のお手本を見習わなければなりません。
全く探偵の知識がないので1から見て覚えていかないといけないのですが、
私の専属責任者になってくれた先輩Dさんはとても気さくな人で一回りも
年上だと言うのに先輩後輩なんて難しく考えなくていいぜ!と私に話しかけて
くれたのが印象的でした。探偵という職業がどれくらい大変で特殊かと言う事は
重々承知していたのですが、やはり一筋縄ではいかない事だらけではじめは
何度も挫折をしてしまいそうになりました。そんな時に先輩がいつも励ましてくれて
自分のくだらない失敗話や、日常生活の話などをしてくれて、
そうした時間があったからこそなんとか探偵という仕事を辞めずに続ける事が
できているんだと思いました。先輩はこの職業についてからもう10年が
たとうとしているんだそうです。私みたいな青二才まだまだだと思っているだとう
と思っていたらいきなり実践につれていかれたりベテラン探偵さんがしている事を
普通に私に丸投げしてくれたのです。もし何かあったら責任はすべて先輩が
とらなくてはいかないというのに。私は何度も失敗をし先輩に迷惑かけました。
とくに探偵で最も必要とされる洞察力が私にはあまりないのです。
こればっかりは慣れだと話していた先輩も最初の数年は全く勘がはずれて
何度もクレームをもらったと話していました。私も毎回失敗をしたり
依頼者さんと意思疎通ができなくて怒って変えられた方もいらっしゃいました。
そんな時も責任をとってくれたのはDさんでした。
私はそんなDさんの下で常に働けることがどんなに幸せだったか。
探偵と言う仕事が大変だとはわかっていますが、この先輩がいるからこそ
頑張れるんだろ実感しています。
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